阪神　阿部温存の巨人に怒りの勝利

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　阪神が２３日の巨人戦（東京ドーム）に２―１で競り勝ち、敵地での３連戦勝ち越しに成功。巨人と並んで再び２位に浮上した。今季初登板で先発した３年目左腕・横山が５回１失点で勝利投手に。ナインには「負けられない理由」があったという。

　虎が敵地での“伝統の一戦”で意地を見せた。試合は福留が初回、二死三塁から右前打で先制点を叩き出すと、３回の一死満塁の好機でも犠飛を上げて決勝点となる打点をマーク。この３連戦全試合で打点を挙げた主将は「みんながつないで回してくれた打席だったので返せてよかった」と笑顔。金本監督は「（接戦が続いて）健康に悪いな…」と苦笑いしつつも「ビジターに強くなっていかないといけない。甲子園ではもっと強くなって地元の方にもいい勝ち方を見せないと」と目尻を下げた。

　この白星で今季初の対Ｇカード勝ち越しに成功。２位タイに浮上するなど勢いはさらに増しそうだが、舞台裏ではいつも以上に負けられない「理由」があった。巨人の“阿部抜き布陣”だ。この日も前日に続いて巨人のスタメン表に主砲・阿部の名前はなし。開幕から絶好調で４番を務めてきたベテランを２試合連続で“休養”させる采配を見せたが、この巨人側の“余裕ぶり”に虎ナインは「なめられるわけにはいかない！」と息巻いていたのだ。

　ある球団幹部は「チームの要である阿部がいない巨人に２日連続で負けるわけにはいかない。阿部のベンチ待機は先々を見据えてのことだろう。ただ、今後甘く見られないためにも絶対に勝たなければいけなかった。うちはフルメンバーで戦っているし、ベンチは『負けるものか』というムードだった」と憤慨していたという。

　普通なら阿部の休養は万々歳のはずだが、そうとは受け取らないのが就任２年目の金本阪神だ。目下、チームは昨年大きく負け越した巨人に対し、この敵地３連戦で“フルスロットル状態”。最年長の福留、右ヒザが万全でない糸井らベテランがフル出場でチームをけん引し、桑原、マテオ、ドリスら必勝中継ぎ陣もほぼ連日のフル回転…。現役時代“鉄人”といわれたタフな金本監督でさえも「ベテランも若手もみんな疲れているんや」「中継ぎ陣の登板過多が心配やな…」と心配するほど。それだけに戦力に余裕のある巨人に何が何でも負けるわけにはいかなかったというわけ。この勢いで今度は首位取りといきたいところだ。