地滑り前に戦法変えろ!田尾安志氏、阪神の守乱完敗に提言
地滑り前に戦法変えろ!田尾安志氏、阪神の守乱完敗に提言 - SANSPO.COM(サンスポ)
お見合いの後、キャンベルは気まずそうにボールを拾う。上本(右)も痛恨の表情(撮影・大橋純人)
(セ・リーグ、ヤクルト4-1阪神、4回戦、2勝2敗、2日、神宮)
またミスで負けた! 阪神はヤクルトに1-4で敗戦。打線もここぞで打てなかったが、考えられない拙守が続出した。サンケイスポーツ専属評論家・田尾安志氏(63)と上田雅昭編集委員が緊急チェック対談。今年の阪神は12球団ワーストの25失策。記録に残らない守りのミスも続出している。このままだったら“大けが”につながりかねない!?
上田 七回途中2失点と好投した秋山を勝ち投手にできなかった阪神。ちょっと腹が立ってきました。
田尾 とにかく守備だね。これだけミスが続くと、金本監督も辛い。
上田 先頭打者本塁打の高山が、二回に中村の左翼後方への打球をグラブに当てながら落とした(記録は二塁打)のが始まりでした。
田尾 お粗末な追いかけ方だったね。そのプレーもだけれど、記録上は失策にならないミスが多いのがことしの阪神の特徴。六回、山田のマウンド上への飛球の内野手同士のお見合い(記録は安打)もそう。
上田 「誰がどう見てもキャンベルが捕ると思った」と久慈内野守備走塁コーチが言っていました。
田尾 決勝点を奪われた七回。中村の右中間三塁打は中堅・糸井がもっとチャージをかけていれば二塁打。二塁・上本の野選は前進守備を敷いているのならアウトにしてほしい。細かいようだが二死満塁からのバレンティンの三ゴロを鳥谷が二封したプレーも、打者走者が走っていないのだから際どいタイミングの二塁より、一塁でアウトにしないと。随所に判断ミスが目立った。
上田 開幕からずっと守乱の歯止めが利かないです。
田尾 これだけミスして貯金3なんて普通は考えられない。奇跡的といっていい。
上田 我慢せざるを得ないんでしょうか。
田尾 我慢していたら貯金は一気になくなる。ある程度、戦い方は変えないと。
上田 まず、キャンベルですが。キャンプでは守備だけはOKの評判でした。が、三塁でも一塁でもミスが目立ちます。
田尾 外国人選手を数試合で見切ることは難しい。慣れてきてどうなるか…だから。
上田 上本も危なっかしいですし、鳥谷もまだ慣れていない。高山はこの日のようなプレーが時折顔を出す。少し前なら「遊撃・鳥谷」に飛べば大丈夫とファンは思ったものですが、今はどこに飛んでも不安です。
田尾 戦い方を変えるというのはそこ。不安な場所を少しでも減らさないと。でも、今のスタメンを代えても、代わりの原口らが抜群にうまいわけでもない。だから、例えば中盤以降で、高山や上本で攻撃が終わったケースで、守備のいい大和を二塁や外野に入れるとか。守りが安定した場所を少しでも増やす。そういう考えで戦っていかないと、投手がかわいそう。
上田 誰もミスしようと思っているわけではないですからね。暗い5月にはしてほしくない。
田尾 アウトにできる打球は確実にアウトにする。基本に立ち返ってほしい。チームとしても勝っているときほど動きやすい。判断ミスもしないもの。地滑りを起す前に、早い段階で立て直してもらいたいね。
拙守を連発した阪神・キャンベル
「ファウルフライもマウンドのフライも自分が捕らないといけなかった。(お見合いは)自分が声をかけたけど、しっかり捕ることができなかった。秋山に30、40球、ムダに投げさせてしまった」
「相手が動いてくるのではないかと思い、前に出てしまいました」
チームに貯金があるうちにメスを入れて崩壊を食い止めよと指摘する田尾氏と上田氏
2人の意見は至極真っ当である
一つ歯車が崩れた時の怖さを散々見て来た
勝っているからこそ、今ここで立て直しを計るのである。