阪神・北條、逆転のろしタイムリー!上本退場でスクランブル2番
阪神・北條、逆転のろしタイムリー!上本退場でスクランブル2番 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
(セ・リーグ、阪神8-5広島、7回戦、阪神4勝3敗、5日、甲子園)急いで、体を温めた。グラブをもって、北條がいつもの遊撃のポジションに走った。2試合ぶりのスタメン落ちも、上本の故障で、いきなり出番がやってきた。
「(出場は)試合が始まったばかりだったので大丈夫でした」
一回一死の守備からの出番。冷静に振り返ったが無我夢中だった。しかも三回一死一、二塁ではフルカウントから右飛。五回無死一塁ではカウント3-1から三振。上本だったら…。そんな声が聞こえてきそうだったが、執念の打撃で、試合の流れを引き寄せた。
「フルカウントになったので、変化球はないと思っていました。でも、真っすぐも強引にいくとフライになるので、コンパクトに打つことを意識しました」
1-4の六回二死一、二塁だ。ブレイシアに対し、粘って9球目。内角高めの148キロを、金本監督直伝の軸回転で左前適時打。五回まで8残塁の拙攻の中、この1点で球場の空気が一変した。
「二死から四球でつかんだチャンス、後ろにつなぐことだけを考えていました」
3日のヤクルト戦(神宮)は代打で適時打。1試合はさんで、また適時打。4月下旬まで12球団唯一の得点打率・000だった男がウソのように勝負強くなっている。
開幕直後から打撃不振に悩んだ。打率1割台から抜け出せず、キャンプ中から体重は5キロほどしぼんだ。スイングスピードも落ち、遊撃の座を糸原に譲ることも…。しかし、そんなときこそ、思いだす言葉がある。
「(鈴木)誠也のスイングをみてみぃ。全然、お前らと違うやないか!」
高卒2年目。2014年のウエスタン広島戦(鳴尾浜)後。当時の平田2軍監督(現1軍チーフ兼守備走塁コーチ)から声を張り上げられた。投手から打者に転向し、はやくも頭角をみせていた同級生のプレー、闘争心を目の当たりにし、追いつき追い越せと、努力を重ねてきた。
「すべてが大きいタイムリーでした」と喜んだ金本監督。穴が空いても、すぐにそれを埋める男たちがいる。層の厚さを、まな弟子・北條が証明した。
上本の負傷退場にスクランブル出場をした北條。
期待に応える見事なタイムリーとまさに維持を見せた。
北條は不動のレギュラーになってもらわなければならない選手。
スランプで、体重が5キロほどしぼんだようだが、これから北條の逆襲を期待したい。