【阪神】マスコミは迷わずメッセンジャーを「エース」と書くべきだ
【阪神】マスコミは迷わずメッセンジャーを「エース」と書くべきだ|ニフティニュース
普段、プロ野球の試合結果を伝えるテレビや新聞などを見ていると、「阪神の先発はエース・○○。その立ち上がりは□□」「阪神先発のエース・○○が粘り強い投球で□□」などといったフレーズに出くわすことがある。ひと昔前は、この○○に能見篤史が入ることがもっとも多く、さらに遡って2000年代初頭~中盤にかけては井川慶の独壇場だった。
しかし、今季はこのエースという言葉自体が使われなくなった印象を受ける。実際、いくつかの新聞を調べたところ、「阪神先発の藤浪が因縁のヤクルト戦で7回1/3を投げて1失点」(5/4スポーツニッポン)、「阪神の先発は能見。中日の先発・ジョーダンとの左腕対決となった」(4/30デイリースポーツ)、「阪神先発のランディ・メッセンジャー投手(35)がハーラー単独トップとなる開幕4連勝」(4/28日刊スポーツ)など、投手名をそのまま伝える記事が目立っていた。
もちろん一部には例外もあった。たとえばスポーツ報知(4/11)には「阪神・金本知憲監督(49)が10日、悩める若きエースの藤浪晋太郎投手(22)に『小細工禁止令」を発令した』という記述が見られ、東京スポーツ(5/4)も「エース・藤浪晋太郎投手(22)が7四球ながら8回途中1失点で3連勝を飾った」と書いていた。スポーツ報知と東京スポーツという決して阪神寄りではない両紙は、藤浪にエースの称号を授けているわけだ。
■虎のエースにふさわしいメッセンジャーの実績
これはつまり、現在の阪神には「彼こそがエースだ」と全マスコミが判子を押せる投手がいない、ということなのだろう。本来なら藤浪にそうなってほしいのだが、まだ物足りないと思われているからこそ、「エース・藤浪」と書くのは一部に留まっているわけだ。
しかし、私はもういいんじゃないかと思っている。日本人の潜在的な気持ちは非常によくわかるのだが、これだけボーダーレスの時代なんだから、さすがにもう全マスコミが迷わず書いていいんじゃないか。阪神のエースはランディ・メッセンジャーだ、と。
ご存知、メッセンジャーは今季で阪神在籍8年目。外国人選手としては、球団史上最長となった。その間、投手成績は常に安定していて、過去7年間のうち二桁勝利5回。獲得タイトルも最多勝1回、最多奪三振2回。今季も3年連続で開幕投手(通算4回目)を務め、5月10日までで6試合に先発して4勝負けなし、防御率2.58。勝ち星と奪三振数はリーグトップを走っており、3・4月度のセ・リーグ投手部門月間MVPにも輝いた。
正直、こんなに優秀な先発投手はそういないだろう。近年の成績だけを見たら、メッセンジャーが虎のエースにちがいない。その証拠に、5月5日の広島戦でメッセンジャーが先発し、打たれはしたものの、味方打線のおかげで阪神が勝利した試合のあと、金本知憲監督は「広島にウチのエース(メッセンジャー)が投げて4点取られたけど、底力を見せた。エースで勝てないのか、というところでよくはね返してくれたと思う」という談話を残した。すなわち、チームとしてはメッセンジャーがエースだと認識しているわけだ。
■外国人選手はいつまでも助っ人扱いなのか
しかし、金本監督がいくら「エース・メッセンジャー」と公言しても、いまだに全マスコミがそれを統一記号化することはない。もちろん、先述した金本談話があった翌日の一部スポーツ新聞には「エース・メッセンジャー」という記述がちらほら見受けられたものの、その数はまだまだ少ない。本来なら、かつての井川がそうであったように、全マスコミがそろって「エース」と称してもおかしくない投手であるにもかかわらず、現在の彼についてマスコミが多用する言葉は「最強助っ人右腕」である。
やはり日本球界においては、外国人選手はいつまでも助っ人扱いなのだろうか。野球協約によれば、メッセンジャーは今季終了時点で国内FA権を取得し、来季からは外国人選手枠の対象から外れる。つまり、日本人選手と同じ扱いになるわけで、そうなった暁には彼の見方も少しは変わるのかもしれないが、私としてはそれを待たずして、すなわち近年の彼の働きだけを評価して、「虎のエースはメッセンジャーだ」と言いたい。
これだけ国際化が進んだ時代なのだ。エースは生え抜きの日本人投手であってほしいという、感情的なわだかまりもよくわかるのだが、それでも彼については、もうそれを取っ払っても良いのではないか。誰もがそういう目で彼を見ることが、メッセンジャーの功績への恩返しではないか。少なくとも、私は虎の外国人エースを誇らしく思う。いつか藤浪が誰もが認めるエースになる日まで、その眼前に立ちはだかる牙城であってほしい。
だからこそ、今季のメッセンジャーに望むのは圧倒的な成績だ。外国人投手2度目の沢村賞は昨年の広島・ジョンソンに奪われたが、こうなったら二年連続で外国人投手の沢村賞と、チームの優勝、そして昨年のジョンソンが果たせなかったMVPも獲得してほしい。
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(山田 隆道)
エースの定義の話である。
メッセンジャーは今年の成績を見れば確実にエースである。
そして、過去もずっと好成績を残している。
だが、エースは藤浪と答える人の方が多いだろう。
私が思うエースとは、
・一番確実に安定した成績を残した投手
が大前提だが、
・期待値も含む
この期待値が藤浪の方が高いのでエース藤浪なのであろう。
以前も村山と小山というWエースが競っていた時代があり、
そのように、お互い切磋琢磨すれば良いのだが。