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甲子園の珍事の裏話 リリーフカーの高橋はどうやって自分でないと分かったか

甲子園の珍事の裏話 リリーフカーの高橋はどうやって自分でないと分かったか (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 

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 珍事が起きたのは、甲子園球場で行われた17日の阪神―中日戦だった。1―1の8回表の中日の攻撃が始まる前。阪神ベンチからは7回途中から登板していた桑原がマウンドに向かい、一方で、右翼ポール横の通用口からはリリーフカーに乗って高橋が登場した。

 

えっ? どっちが投げるの? マウンドで黙々と投球を練習する桑原。高橋を乗せ、右翼後方の芝生の上で一時停止状態の黄色いリリーフカー。見慣れぬ光景に甲子園はドヨドヨどよめいたが、ドタバタしたのは阪神首脳陣だった。

 「私の勉強不足でした。代打が出ないと交代させられなかった。桑原や聡文(高橋)、応援にきてくれたファンの方にも迷惑をかけたと思っています」とは試合後の香田投手コーチの弁。実は、阪神側はこの回先頭の投手・バルデスに代打が出ると読んでいた。そこで1度、桑原をマウンドに上げてから、代打が告げられた時点で高橋へのスイッチを考えていた。ただ、中日ベンチはバルデスの続投を選択し、左腕がそのまま打席へ。公認野球規則5・10(i)には<すでに試合に出場している投手がイニングの初めにファウルラインを越えてしまえば、その投手は第1打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務がある>とあり、ただし書きとして<代打者が出た場合は除く>と書かれている。今回のケースでは、桑原がファウルラインを越えてマウンドに上がり、代打も出なかったことから、最低打者一人が完了するまで交代できなかった。結局、リリーフカーはUターンし、最後はバックで出てきた通用口へと消えていった。

 さて、ここで気になることが一つ。高橋は一体どうやって自分じゃないと分かったのか? 車に電話が付いているわけではないので、首脳陣が指示できる状況ではなかったはず。本人に聞いてみると「福留さんに“帰れ、帰れ”と言われたんですよ。リリーフカーでグラウンドに出た時から何か雰囲気がおかしいなと思っていたんですけど」。右翼の守備位置から状況を見ていた主将が、教えてくれたそうだ。

 桑原はバルデスを二ゴロ、荒木に左前打されたところで改めて高橋にバトンタッチ。1死一塁から再登場となった左腕は京田の犠打後、珍しく球が抜けて大島に死球を与え、不完全燃焼で降板した。集中力を最大まで高めてマウンドに向かうタイプだけに、思わぬ出直しの影響があったはずだが「あの回、0点で終わって良かったけど、大島に申し訳ない」と反省しきりだった。見ている側からすると少しコミカルな一幕ながら、当事者たちは“2度とゴメン”という心境だろう。(山添 晴治)

 

あのリリーフカー事件の当事者からのコメントである。

福留に帰れと言われた高橋。

とても切ないが、ライトから状況を把握するとは流石、百戦錬磨の主将である。

 

 


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