虎にはカワさんがついている…誰よりも熱い川藤OB会長、エエ味出てまっせ!
虎にはカワさんがついている…誰よりも熱い川藤OB会長、エエ味出てまっせ! (産経新聞) - Yahoo!ニュース
アホ! しっかり打たんかい。試合前、挨拶にやってきたヤクルト・山田にハッパを掛ける川藤会長
予想以上に阪神がよくやっている。15試合を消化して9勝6敗。なかなか負けない首位広島に2・5ゲーム差の3位は立派な数字だ。
健闘の要因はいろいろあるが、一人の男に注目したい。それは、試合前の阪神ベンチにドッカと座り、鋭いまなざしで練習をみつめる川藤幸三OB会長である。
2010年11月、田淵幸一前会長からバトンを引き継ぎ、ことしで実質7年目。練習も見ないで解説する評論家が多い中で、川藤会長だけは阪神だけでなく相手チームの練習も最後まで見る。だから、敵味方ほとんどの選手が挨拶にやってくる。
「会長、おはようございます」「おおう、おはよう」「元気そうですね」「おおきに!」。一声かけるだけで選手の体調までわかるという。挨拶だけではない。中には監督やコーチには言えないちょっとした悩みを訴える選手もいる。
4月5日、京セラドーム大阪でのヤクルト戦。試合前の練習中、原口がベンチの川藤会長のところへやってきた。
「会長、内角球どうやって打つんですか?」と小声で尋ねた。すると-
「アホ、今のお前はそんな細かいこと気にせんでええ。来たタマを思い切って打ったらええんや。失敗を引きずるのはしゃあない。けどな、引きずり過ぎたらアカン。ええ選手はみんな切り替えが早い。三振しても、それがどうした!ちゅうぐらいの顔しとったらええんや」
たしかに、現役時代のカワさんは、三振しても堂々と胸張ってベンチに引き揚げていたっけ…。
悩みが晴れた? 「ハイっ!」と元気よく答えた原口、その日の試合で3打数2安打を放てば、翌日の3回戦では5打数2安打。なんと延長十一回、ヤクルトの杉浦から左翼席へプロ入り初のサヨナラホームランをかっ飛ばした。
阪神の沖縄キャンプも初日から最後まで視察し、オープン戦も全試合に“帯同”。解説の仕事がないときは旅費や宿泊費は自己負担。阪神・川藤幸三OB会長、間違いなく「日本一現場が好きで、選手のことを一番知っている」評論家なのである。(田所龍一)
伝統あるチームには色々なOBがいる。
厳しい人、とことん甘い人、現役選手にするよる人。
そんな中で川藤OB会長は選手にとってみれば、親父的な存在であろう。
浪花の春団治と言われた現役時代。
そのニックネームが全てを物語っていると言えよう。
自己負担をしてまで好きな「現場」にこだわる川藤会長にチームは恩返しをせねばならない。