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岡田、藪、桧山のOB3氏が語る「金本・阪神」の強さはホンモノか?

岡田、藪、桧山のOB3氏が語る「金本・阪神」の強さはホンモノか? (webスポルティーバ) - Yahoo!ニュース

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 金本知憲監督になって2年目を迎えた阪神。シーズン序盤はFAで移籍してきた糸井嘉男や、秋山拓巳、中谷将大といった若い選手の活躍もあり、交流戦まで46試合を消化して27勝19敗で、首位・広島と1ゲーム差の2位につけている。今年の阪神は何が変わったのか? はたして本当に強いのか? 阪神OBである岡田彰布氏、藪恵壹氏、桧山進次郎氏の3人にここまでを振り返ってもらいつつ、これからの戦いについて占ってもらった。

 

―― 開幕前、今年の阪神をどのように見られていましたか?

岡田氏:オレは3位と予想したんやけど……その理由は不確定要素が多かったから。開幕前は誰がレギュラーなのかわからない状況やったからね。投手陣はメッセンジャー以外の先発が不安やったし、リリーフ陣もどこまれやれるのか未知数。正直、始まってみないとわからない部分が多すぎた。予想するのは難しかったよ。

藪氏:投手陣はある程度やってくれそうな雰囲気がありましたが、逆に打線が弱いのかなと……。糸井が加入しましたが、キャンプ、オープン戦の段階ではどんな打線になるのか、想像もつきませんでした。開幕前の予想では2位にしていましたが、一歩間違えればBクラスもあるぞ、と思っていました。

桧山氏:昨年秋のキャンプから相当鍛えられたようで、今年春のキャンプでは選手たちの体がひと回り大きくなっていました。当然、スイングスピードも上がり、飛距離も出てきました。体力アップが技術力のアップにつながり、選手たちも自信が出てきたように思えました。もちろん、まだまだ未熟な部分はありますが、チームとして戦える布陣は整ったかなと……そういう期待も込めて、私は2位と予想しました。

―― 現在、首位の広島と1ゲーム差の2位ですが、開幕から好調を維持し、しばらく首位を走っていました。好調の要因は何だったと思いますか。

岡田氏:糸井の加入やろうね。開幕からずっと調子がよかったから。糸井が入ったことで打線につながりが出た。印象として、打ち勝った試合が多く、打線がいいとチームも乗っていける。調子を落とした時期もあるけど、実績のある選手なんで、また上がってくるだろうし、チームにとっては大きい存在になっている。

藪氏:開幕前は打線に不安があると思っていたのですが、糸井が入ったことで厚みが増しましたよね。それに引っ張られるように、若手もノビノビできる環境になったと思います。5月6日の広島戦で9点差を大逆転しましたが、まさに前半戦の阪神を象徴する試合だと思います。今年の阪神は点が取れる、と。投手にしてみれば、1点もやれない状況で投げるのと、打線が点を取ってくれるから最少失点で抑えればいいと思って投げるのとでは、精神的に違いますから。シーズン序盤を振り返ると、打線がチームを引っ張っていた印象が強いですね。

桧山氏:必然的にそうしたのか、それとも偶然そうなったのかはわかりませんが、ベテラン、中堅、若手と、絶妙なバランスでチーム構成できていました。ここぞという場面でベテランは頼りになるし、中堅は若手をうまくリードしている。それによって若手は思い切ってプレーできている。まだミスは多いですけど、それを取り返すだけの力はつけてきています。すごくいい感じでチームが動いているなと思いましたね。あと、秋山や中谷といった新しい力が出てきたことも大きかった。若い選手が出てくるということは、チームの成長ですから。

 

―― 金本(知憲)監督は今年で2年目を迎えました。昨年と比べて、変わったと感じるところはありますか。

岡田氏:とにかく、昨年は選手を使いすぎた。もちろん、金本が自分の目で確かめたいと思ってそうしたんやろうけど、まったくメンバーが固定できなかったからなぁ。それが今年はある程度、固定できるようになったことで、腰を据えて戦えるようになった。使う選手が決まれば、あとは育てていくだけやからね。少々のミスでも目をつぶれるようになってきた。昨年に関しては、そこまでチームができていなかった。

藪氏:継投の部分で、今年はスムーズにいっている印象があります。特に、桑原(謙太朗)や岩崎(優)の起用がうまくはまっていますよね。彼ら自身、自分の役割を理解していますし、その期待にしっかり応えている。おそらく、自分の出るタイミングが読めるようになった。昨年は、交代のタイミングがワンテンポ遅いなと思ったことが何度かありましたが、今年はそれがない。意思の疎通ができている証拠ですね。

桧山氏:昨年は試しながら選手を起用している部分があったのですが、今年に関しては「このメンバーで戦う」という、金本監督の意志が伝わってきます。選手自身も、監督の野球を理解してきたと思いますし、作戦面や継投に関しても迷いがなくなってきたのかなと思いますね。それに今年の阪神でいえば、メッセンジャーと福留の“エースと4番”を確立できたことが大きいですね。チームの土台ができれば、少々のことでは崩れないですから。金本体制2年目になって、監督自身も選手も、ようやく落ち着いて野球ができるようになったんじゃないでしょうか。

―― 交流戦が始まりますが、タイガースが戦う上でのポイントを挙げるとすれば?

岡田氏:昨年は、セ・リーグで広島だけが勝ち越して、そのままシーズンを突っ走ったように、交流戦の結果は今後のチームを占う上でも大事。そのなかでも、交流戦は投手陣の頑張りが重要になる。パ・リーグはいい投手が揃っているし、どうしても普段対戦してないピッチャーとの勝負になるから点が入りづらい。特に、先発はどこまで粘れるかがポイントになる。秋山あたりがパ・リーグ相手にポンポンと勝ってくれると勢いがつくんやけどね。

藪氏:ここで順位がガラッと動くこともありますから、阪神としては最低でも5割でいきたいところです。今年に関しては、最初の2カードはロッテ、日本ハムという少し調子を落としているチームとの対戦になります。ここでしっかりと勝ち越したいですよね。ポイントは打線だと思います。パ・リーグの投手からどれだけ得点できるのか。ある程度、得点できるようであれば、5割で乗り切れると思います。

桧山氏:今季のタイガースの野球を試す絶好の機会ですよね。パ・リーグのチームは強いですが、恐れずに思い切りプレーしてほしいと思います。交流戦はデータが圧倒的に少ないので、たとえば打者だと、駆け引きよりも感性が大事になります。とにかく迷わないこと。同じ失敗でも、思い切りのいい失敗は次につながりますから。今年の交流戦については、若手がポイントになると思います。幸いなことに、交流戦前に8つの貯金をつくることができた。これもアドバンテージだと思って、ノビノビ戦ってほしいですね。理想は5割ですが、負け越したとしても2~3つぐらいに抑えておけば、まだ首位争いできると思います。

 

―― 交流戦が終われば、またセ・リーグとの戦いが始まります。今後、首位争いをしていく上で重要になるのはどこだと思いますか。

岡田氏:メッセンジャーのほかに、あとひとり計算できる投手が出てくるかどうか。今は秋山が頑張っているけど、これまで1年を通して戦ったことのない選手。夏場に向けてスタミナの心配もあるし、相手も慣れてくる可能性がある。そうなると、藤浪(晋太郎)の復調がポイントやろうね。メッセンジャーと藤浪の2本柱が確立すれば、連敗は考えにくい。連敗さえしなければそれほど貯金は減らないから。あとは、岩崎を8回固定で起用しても面白いと思う。マテオとドリスは、顔も似ているけど、ピッチャーとしてのタイプも同じ。このふたりの間に左の岩崎を挟んだら、相手は嫌やと思うけどなぁ。岩崎は短いイニングならボールに力があるし、変化球のキレもいいから三振も取れる。リリーフの起用もポイントになると思うよ。

藪氏:もっと足を使った攻撃をしたいですよね。まだ相手バッテリーにプレッシャーをかけられていません。広島の選手なんかは、塁に出ると「いつ走ってくるんだろう」ってバッテリーは必要以上に警戒しますよね。それによってストレート中心の配球になったり、制球が乱れたり、的が絞りやすくなる。「阪神は走ってくる」と意識づけさせることができれば、もっと得点力も上がってくると思います。

桧山氏:交流戦が終われば緊張感も和らいで、試合に慣れてくるんです。そういうときにケガをしやすいですし、凡ミスも起こりやすい。野球というスポーツにミスはつきものですが、チームの士気が下がるような凡ミスはやめてほしい。今年のタイガースのスローガンは“挑む”です。まだまだ発展途上のチームですので、思い切りプレーしてほしいですよね。あとは藤浪の復調です。このチームは藤浪が投手陣の中心にいてくれないといけない。しっかり二軍で調整して、本来の調子を取り戻してほしいですよね。

―― 最終順位は何位と予想しますか。

岡田氏:広島、巨人、DeNAとの4つ巴の戦いになるやろうなぁ。ここまでの戦いを見ると、広島が少し抜けてる感じはするけど、DeNAも筒香(嘉智)が本調子になればもっと得点力は上がるやろうし、巨人も経験豊富な選手が多い。ただ、阪神も昨年と比べると間違いなく選手の個々の力は上がっているし、キーマンに挙げた藤浪が復調すればAクラスはいけると思う。優勝は……ないわけではないけど、まだチーム全体に安定感がないよね。開幕前の予想通り、3位かな……。

藪氏:どこかで勢いがつけば優勝の可能性もないわけではないですが、まだまだ広島と比べると戦力的な差はあると思います。ここまではすごくいい戦いをしていますが、シーズンはまだまだありますからね。それに阪神といえば“9月の失速”がありますからね(笑)。ファンもどこか半信半疑な部分があるのではないでしょうか。ただ、藤浪や岩貞(祐太)といった先発陣が本来の調子を取り戻してくれたら、最後まで優勝争いをすると思います。

桧山氏:開幕前と同じ2位と予想します。金本監督になって、昨年は選手を選別し、今年は経験を積ませ、来年に勝負をかけるというプランで来ていると思うんです。そういう意味で、今年は何としてもCSに進出し、あの独特の緊張感を選手たちに味わってほしいと思います。それが来年の戦いにつながりますし、選手たちも自信になる。今の順位を維持するためには、勝てる試合を確実に取る。今年阪神は9点差を逆転するといった試合がありましたが、逆のことも考えられるわけです。ひとつのミスで流れが変わってしまうのが野球の怖さです。とにかくいい意味での緊張感を持って、これから戦ってほしいですね。そうすれば、間違いなくCSに進出できます。

 

スポルティーバ●文 text by Sportiva

 

総じて優勝を予想しない岡田氏、藪氏、桧山氏のOB三人。

しかし、今年のタイガースの強さは認めており、優勝までいかないのは不確定要素を嫌っているのが見受けられる。

面白い意見は岡田氏。ドリス・マテオの間に岩崎を入れるべきと進言。

流石にJFKを作った監督。

中継ぎ陣の使い方には一言あるようである

ともあれ、今年は貯金があり、アドバンテージをもって迎えられる交流戦

昨今のシーズンを見てみると、パリーグに負けないチームほど優勝に近づいており、何とか踏ん張ってほしい

 

 

 


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